コーチングとは?

相手に答えを与えるのがteachingだとしたら、逆に相手から答えを引き出すのがcoachingです。
コーチの語源は「馬車」と関係があり、コーチは相手の行きたい場所(コーチの行きたい場所ではなく)に、相手を大切に送り届ける役目があります。
teachingも必要ですが、主体性を育むためには、coachingの関わりが必要です。教育の教はteaching、育はcoaching であり、両方あってこそ、教育と言えるでしょう。
生徒は「こうなりたい」「こうありたい」「こうしたい」という思いを必ず持っています。「どうしたい?」と問いかけ、それを実現するために何が必要か、何が実現の邪魔をしているか、一緒に考えていきます。

①なぜコーチングが必要

不登校のお子さんの中には、自分の居場所がないと感じている子も多いです。学校の先生も、お父さん、お母さんも愛情深く接しているのになぜ?と思いますよね。
もしかしたら、それは聴き方と関係があるのかもしれません。

つばさ高等学院 / つばさスクールのスタッフのほとんどがコーチングを学び、生徒とのコミュニケーションに活かしています。子どもが、生徒が、ここが自分の居場所と思える、そして心を開いて話せるには、どんなことが必要なのでしょうか?

②ポイント1 傾聴する

「学校がつらい…」「頭が痛い…」「友達とうまくいかない…」
そんな悩みを子どもが訴えて来た時、大人は解決するためのアドバイスを与えたり、あるいは弱音を吐かないで頑張るように励ましたりします。
それは愛情や責任感から来ているのですが、当の本人は、必要としていない場合もあります。

ただ聴いて「つらいんだね」「頭が痛いんだね」「友達とうまくいかないんだね」と、気持ちを受け取ってほしいと思っているだけなのに、アドバイスをされたり、否定されると、「わかってくれない」「もう話したくない」「自分の居場所がない」と感じる場合もあります。

気持ちを受け取ってもらえたら、解決する力は本人の中にあるのです。

ポイント2 「質問する」

「質問」しているつもりが、往々にして「詰問」になっている場合があります。

「なぜ約束を守らなかったの?」は「詰問」です。詰問を受けると、本人は「責められている、危険!」と感じ、心を開いて話すことも、自分の内面を見に行くことも難しくなります。

「質問」だと、「約束を守ることを邪魔したものはなに?」「何があったら、約束が守れた?」となり、本人は安心感を感じながら、自分自身を振り返ることができます。

肯定的な面に光を当てる質問をすることもポイントのひとつです。

④ポイント3 「承認する」

承認は「ほめること」とイコールではありません。

いわゆるほめることは「You」のほめ「きみはすごいね」〜これは評価の一種であり、上から目線で言われているとか、バカにされていると感じられる場合もあります。また本人にとって、すごいことでない場合には「わかってないな〜」ということにもなりかねません。

一方、「I」のほめだと、「私は感心した」「嬉しい」「楽しみにしている」となります。これは評価ではなく、実際に心の中で起こったことなので、受けとってもらいやすい言葉です。

事実を淡々と伝えるフィードバックもあります。「2時間机に向かったね」「時間どおりに来たね」「忘れ物しなかったね」〜これは、本人が自分を振り返るきっかけになる言葉であるだけでなく、見守ってくれている安心感にもつながります。

そして何より大切なのは、ありのまま、まるごと相手を認めること。良い点も悪い点も含めてまるごと認めること。
これは実際には難しいのですが、まずは大人が自分自身にOKを出すことで、子どものことも認められるようになるようです。

⑤コーチングで安心感を得たり、個性が輝き始める

こうしたコミュニケーションを通して、生徒はつばさの中に自分の居場所を見つけることができます。

安心感を得たり、仲間ができることで、本人が元々持っていた個性が輝き始めます。将来への希望も生まれてきます。

隔週で学院長による「世の中授業」が行われており、将来の仕事や生き方について、視野を広げる機会にもなっています。