七夕の夢
毎年この時期になると笹の木を学院長がどこからか持って来てくれます。
そこに生徒もスタッフも思い思いに願いを書きます。
今年こんな事を書いている生徒がいます。
「教える教育者になりたい 全日制にかよえなくなっても ほぼ同じ教育をうけられるような 学校かじゅくをつくりたい」(原文まま)
ご存じの方も多いと思いますが、この願いは今とても重要になっています。通称、教育機会確保法が制定され、夜間中学などの学び直しの場、あるいはフリースクールなどの学校に行けないこどもたちのための学ぶ場。そういった場を確保する動きがいろいろと出てきています。
「勉強する」ではなく「教育をうけられる」という言葉が使われているのも見逃せません。この生徒は教育機会確保法のことはおそらく知りません。自分自身が学校に行かなかった経験を持ち、今生きていく中でこう思ったのだと思います。
今はこの生徒が「教える教育者」になるには、足りないものが多すぎます。本人にも何度も、何度もそのことを伝えています。
「塾」もたぶん漢字では書けません。学校に行かなかった期間もとても長く、家から出なかった期間も長かったのです。
しかし、誰かに言われたから、などではなく、自分自身の経験から、心の底から「教育者になりたい」、自分のように学校に「かよえなくなって」苦しんでいるこどもたちのために何かを、という思いを忘れずに努力をし続ければ、きっと何かが変わると思います。
つばさ高等学院/つばさスクール 西中 伸